売れる色を使った商品
清涼飲料水の中でも、幅広い世代に大人気のコーラ。 今日はそんなコーラのパッケージについての話題です。コーラと言って思い浮かべるのは?そう、「コカ・コーラ」と「ペプシコーラ」。 その缶やペットボトルには面白いのですが、とてもよく売れる色が使われています。
コカ・コーラは赤地に白い文字。ペプシ・コーラは、赤・白も使いつつ、赤と正反対の青をメインカラーにしています。
でも、考えてみてください。商品の特徴を色に託す、という一般的な発想から考えると、なかなか赤や青という色をメインに持ってくることは考えにくいものですよね? コーラの美味しさの特徴といえば、あのコーラ特有(どんな色で表せばよいか分からない)の味と、炭酸の刺激によるクールな味わいでしょう。
強烈=赤、クール=青ということもうなずけなくはありませんが、その場合、メンソールを思わせるようなグリーン系でも良いわけですし、ペプシのデザインも赤を使わずに青と白だけにすることも可能だったはずです。
デザイン時に売れる色の分析を行ったかどうかは分かりませんが、他の清涼飲料水とは明らかに桁の違うヒットを飛ばしているという結果から見て、やはり味だけでなく使用した色の効果もあったのだろうと思います。
最近の飲料で売れているのはゼロカロリー商品。コカ・コーラ、ペプシコーラもそれぞれゼロカロリーを歌い文句にした商品を発売しています。
こちらはそれぞれ、地に黒を用いたデザインになっています。 この黒も、これまた代表的な「売れる色」なんです。先ほど例に挙げた赤と青は、お互い強烈なインパクトがある色だけに、他のジャンルの商品でもメインカラーとして採用され、大変な戦いが繰り広げられている色なんです。
「情熱」「活動的」な赤と、「冷静」「知性」の青。 色だけでなく、連想されるイメージも対照的なこの2色は、全ての色の中で売れるための代表的な二大陣営です。
ちなみに、こうした業界で赤と青を同時に同じ会社が取ってしまえば、その他の商品はまず追従できないといわれています。それ以降に発売する商品が、赤、青以外の色でインパクトを出そうとしても、ここまで人の目を引かないのです。 例えば、発泡酒、缶コーヒーなどで赤や青以外の色の商品を出したとしても、比較するとそこまでインパクトがあるようには思えませんよね。
そういった訳で、先に赤・青を使用して発売した方が断然有利と言うわけです。 ぜひ商品のパッケージを決める際の参考にしてくださいね。
日本列島別のカラーテイスト
店頭に並べる品揃えを考えるとき、考慮しなければならないのが、地方別のカラーテイストです。 住む場所によって、色の好みはかなり違ってきます。 (※テイスト=好み) 地球上に降り注ぐ太陽光線には、青系統・赤系統などがあります。
このような光線の中で暮らしていると、おのずとその系統に関しての識別能力が発達し自分テイストの色になっていきます。 更にこうした条件下でも「湿度」が違うことで、くすんだ地味な色調に傾いたり、曇りがなく澄んだ色調に傾いたりします。
また日照時間の違いは、色の明るさにも影響を与えます。 生まれた時からこうした差にさらされていると、次のような色の好みの違いが出てきます。
北海道 青系 東北 青をやや渋くした藍色 関東 (主に)緑 中部 黄(黄金) 近畿 オレンジ 中国 ベージュや茶 九州・沖縄 赤やオレンジ 人間が見られる「色」は、紫外線から赤外線までの間の実際に目で見て確認できる波長の光と言われています。
日本列島を想像していただくと分かりますが、日本地図を先ほどの地方別の好みの色で塗りつぶしていくと、北(青系)から南(赤系)まで、まるで虹のような配色となります。 面白いですね。
ただし、全国的に見てベーシックな色の好みはあまり変わりません。例えば、服のラインナップで考えるなら、半分~7割は日本全国共通の流行&定番色を取り入れたもの、残る半分~3割は地域の特性が出た色のものを品揃えする、という方法を取るとよいでしょう。