企業ロゴの秘密
商品の色は、商品の特徴を表現したり、それをどんな人に手にとって欲しいのかをアピールする上で重要な要素となります。
それと同じように、企業ロゴは、その企業がどんなユーザーを中心と考えているのか、また、どんなイメージで自社を見て欲しいのかをあらわす要素と言えます。
では、そういった要素を踏まえ、3つの観点から、各企業やお店がロゴによってどんな意思表示をしているのかを見ていきたいと思います。
1.色の特徴は何か (色の成分)
2.ロゴの色からどんなキーワードが連想されるか (具体的イメージ・抽象的イメージ)
3.ロゴの色はどんな人をターゲットにした色か (男性・女性)(赤ちゃん・子供・若者・大人・年配など) それでは、具体的にイメージしやすいように、誰もが知っている衣料品のユニクロさんのロゴを思い浮かべてください。 「赤」と「白」をパッと想像できますよね。
印象と言うのは本当にすごいです。 衣料品と言えば、その顧客としては女性の方が多いと思います。ロゴを考える場合においても、女性が入りやすく感じる色使いが必要になってくるわけです。 その点において「赤」は、最も目立つ色である上に、女性の好む色でもあります。
しかも、進出色なので、迫って見えるような効果もあります。 つまり、目に付きやすく、しかも、女性が自分たちのために用意された空間であると一瞬のうちにイメージできる色でもあるわけです。
ユニクロさんの赤は、濃い目で力強い赤が使われています。 純粋な赤に黒を混ぜたような、海老茶を感じさせる色合いです。この色からは、赤から連想されるイメージをより強力に伝えたいという印象を受けます。 赤が人々に共通して与える連想イメージは、次のようなものです。
【情熱・危険・興奮・暑い・強烈・激しい・活動的など】 こうした抽象的イメージは、その色を見た人の、そのときの状況によって左右されます。
例えば、何も危険を感じない自分の家の中で赤を見たとしても、赤の連想イメージである「危険」を感じることはありません。 しかし、道路上で赤信号や赤い標識を見たときは、「危険」というイメージを連想します。
つまり、どのように連想するかは、状況次第というわけです。 買い物に来たお客様は、期待に胸を躍らせて洋服を買いに来ているわけですから、赤いロゴを見ても「危険」というイメージは抱きません。
それどころか、新しい洋服を買うという期待感から、「情熱」「興奮」「強烈」「活動的」「生命」といった、元気なプラスのイメージを連想すると思います。
さらにこの赤は、純粋な赤のイメージに加え、黒の持つ「男性的」「重々しさ」「豪華さ」「絶対的」のイメージが少し混ざります。 そのため、男性も抵抗感が少なく、中性的なイメージになります。
そして面白いのは、特徴である「リーズナブルさ」をロゴの中であまり表現していない点です。 いかにも安っぽい、あるいは低価格を前面に押し出したような雰囲気ではない空間で、実際には安いものを買いたい。そんなお客様の心理も、このロゴには配慮されているのかもしれません。
なお、Webサイトや一部の店舗では、違うロゴ(真っ赤な色を用いた、書体も異なるロゴ)を使用しています。チェックしてみると面白いですよ。