色を三次元空間に位置づける
規則的に変化する色の違いを三次元空間に整理したものが「色立体」で、色相/明度/彩度の三属性にしたがって配列されています。
白~グレー~黒までの無彩色の軸を中央に立てて、タテ軸は明度の変化を表し、その周囲の演習場に色相環を配置し、彩度はヨコ軸に置きます。
中央から外方向に向かうにつれてより鮮やかになり、立体の一番出っぱったところに純色がきます。
<トーンとは?>
色相/明度/彩度の数値から、ストレートに具体的な色を思い浮かべるのは難しいものです。
同じ色相の中でも明度や彩度の変化によって、「明るい-暗い、淡い-濃い、強い-弱い」調子の色という具合に、色調の異なるグループに分けることができ、この色調のことを「トーン」といいます。 トーンとは明度と彩度を一緒にした色の表し方です。
<グラデーションとは?>
和紙などに見られる濃淡は明るい色から徐々に暗い色へ、暗い色から明るい色へというふうに、明暗が少しずつ変わっています。
虹は赤~橙~黄~黄緑~緑~青緑~青~青紫と色味が段階的に変化し、その美しさが私たちの心をとらえます。 このように色の配列が規則正しく変化する配色技法を「グラデーション」といいます。
<グラデーションによる立体的効果>
グラデーションは、マイルドなふくらみや立体感、さらには遠近感を表現することもでき、デザインでの立体表現には欠かすことのできない技法です。
また、ある方向性や流れ、動きなども生じることから、人々の視線を集めたり、静止状態を動的状態に錯覚させることも可能です。
<アイキャッチャー効果で注目を集める>
1色だけでなく、カラフルできれいな色が変化しながら並んでいれば、つい目を奪われるのは当然のことだと思います。そんな視線の先に「商品名」などが入っていれば、ユーザーの潜在意識に直接訴えかけられます。グラデーションが施された商品の中で、ロゴマークやロゴタイプが一層j栄えるのです。
実際の色とのズレ?
「記憶色」の場合には、その色の持つ特徴的な部分がより強調されて記憶される傾向にあり、先の例で見るなら「バナナは黄色っぽく」「リンゴなら赤っぽく」のように、黄色いものはより黄色く、赤いものはより赤く記憶されやすくなります。
色味が強いはっきりしたものの記憶色は実際よりも鮮やかに、明るいものの記憶色は実際よりも明るく、暗いものの記憶色は実際よりも暗くなり、さらに色相に関しても、ズレが生じたりすることもあります。
例えば、黄緑系の草の色は緑の色相に寄って記憶されるなど、「赤・黄・緑・青」の基本色相にシフトする傾向が見られます。
<赤色の持つ誘目性 >
赤色の持つ誘目性は、救急車・パトカーの赤いランプ・消防自動車・消火器・非常ボタン・交通標識などに、取り入れられています。 また、ポスター・看板・企業のシンボルカラー・ロゴマークなどにも赤色の占める割合が他の色より多くなっています。 色を上手に使って印象度・高感度アップ!
<記憶色とは>
バナナは黄色、空は青、リンゴは赤などのように、人の記憶の中にある色で、それらのものを見なくてもその色が指摘できる色のことを「記憶色」=「メモリーカラー」と呼んでいます。